浪人生は英語の偏差値が伸びないって本当?おすすめの勉強法と伸びる人の特徴


大学受験における英語は、受験生にとって大きな壁となりうる科目です。ほぼ全ての大学で課されるだけでなく、大学や学部によっては他の科目に比べて配点が大きくなっていることもあります。英語に対して苦手意識を抱えたまま入試の日を迎えてしまい、思うような結果が出せなかった受験生もいることでしょう。

 

今回は浪人生の英語の勉強法を解説します。英語の学習で意識するべきことや、問題集の活用法を丁寧に紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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浪人生は英語の偏差値が伸びないって本当?

浪人生は英語の偏差値が伸びない、と耳にしたことがあるかもしれません。実際には、浪人生でも英語の成績を伸ばすことは可能です。ただ、英語は学習の効果が現れるまでに時間がかかる科目であり、世界史などのように暗記すれば点数が伸びるものではありません。このことを理解していないと、一生懸命勉強しているのに成果が出ない、と焦ってしまうのです。

 

そもそも模試の偏差値が示すのは、試験を受けた受験生の中での相対的な位置関係にすぎません。もし現段階で英語の偏差値が低いのであれば、少し勉強したくらいで上の方にいる他の受験生を追い越すことはできないでしょう。なぜなら相手は同じ場所に止まってはいないからです。偏差値が高い受験生も同じように勉強している=前に進んでいます。だから偏差値がすぐに上がらなくても、それは勉強の成果とは別の話である、ということを理解しておきましょう。

 

受験勉強の目標は志望校に合格することです。模試で優秀な成績を収めるに越したことはありませんが、今は偏差値が低くても、試験当日に一歩リードして合格ラインに届けば問題ありません。模試の活用法は後ほど解説しますが、見かけの数字に一喜一憂する必要は全くないのです。

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現役で伸びなくても浪人で伸びる人の特徴

では現役の時点では英語が合格点に達しなかった受験生は、どのような勉強をすれば良いのでしょうか?

 

これは基礎固めを徹底することに尽きます。現役生は学校や他教科との兼ね合いがあり、時間が限られています。そのため基礎の習得に多少の穴がある段階でも、入試のスケジュールに合わせて演習へと移行せざるを得ません。結果として、現役生は自分では気づかないまま基礎の部分がお座なりになっていることが多いのです。

 

裏を返せば、浪人生も春の段階では基礎ができていません。一年間勉強することに専念できるのであれば、徹底的に基礎から叩き込むべきです。夏頃までは基礎固めに徹して、秋以降の演習に向けて力を蓄えておくべきです。

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浪人生におすすめの英語の勉強法

 

英語の基礎ってなに?

ここまでで、英語の成績を伸ばすためには基礎固めが大切である、と言いました。おそらく筆者でなくとも、同じことを学校の先生や予備校の講師から言われることでしょう。では、英語における基礎とは何でしょうか?これを理解せずに勉強するのは非常に効率が悪いですが、きっちりと答えられる受験生は意外と少ないはずです。

 

英語における基礎とは、文法と構造分析、この二つです。しかし、ただ闇雲に文法や英文和訳の問題集をこなしているだけでは、基礎の習得にはつながりません。受験生の多くは熱心に文法を暗記し、機械的に和訳問題を解いています。これでは英語に対する理解が深まらず、受験生がもっとも苦戦する長文や英作文への応用が利きません。

 

文法学習で意識するべきこと

ここからは文法を学習する際に意識するべきことや、問題集への取り組み方を解説します。

 

参考書についてですが、文法については2種類のものを用意しましょう。ひとつは「Evergreen」「Forest」のような分厚いもので、いわゆる総合英語の参考書です。もうひとつは「英文法レベル別問題集」「頻出英文法・語法 問題1000」といった文法に特化した問題集です。

 

総合英語の参考書は問題を解くためではなく、問題を解いていてわからない部分や曖昧になっている箇所を調べる辞書として使います。大学受験英語に出題される分野を網羅していれば、

基本的には自分の好みのものを使って問題ありません。こだわりがないのであれば定番のものを使っておくと、先生や講師も知っていて質問に答えやすいというメリットがあります。

 

文法問題集についても、定番のものを使うのが良いでしょう。特に英語に対する苦手意識が強い人は、簡単過ぎると感じるくらいのものから始めてください。これにはちゃんと理由があるので、見栄を張って自分のレベルより高いものを選ぶのだけは控えましょう。

 

文法学習でやるべきことは、第一にすべての文法事項を理解することです。特に仮定法のような頻出かつ受験生が苦手とする分野については、きっちりと理解しておきましょう。ただし、分厚い参考書を隅から隅まで覚える必要はありません。現役の頃に一通りの文法の勉強が済んでいれば、確認する程度でかまいません。

 

重要なのは文法問題集の解き方です。多くの受験生は文法問題集の正しい活用法を知らないために、何冊もこなす割には実際の試験で失点してしまうのです。まずは自分が現役時代にどのように文法問題集を使っていたか、思い出してみてください。

 

おそらく、一生懸命に問題を解いてから答え合わせをして、間違っていた問題を復習する、というやり方ではないでしょうか。これではせっかくの問題集を半分も使えていません。文法問題を解く際には、必ず自分の解答に根拠を持たせること(可能であればメモをしておく)、②選ばなかった選択肢はなぜ誤りなのか理由を説明する、の2つを心がけましょう。

 

正解の根拠&他の選択肢が外れる理由を述べる、というこの方法は、文法の理解を大いに促進します。はじめは面倒に感じるかも知れませんが、続けていくうちに必ず効果が現れるはずです。「正解はどれか」というやり方では、一つの問題から一つのことしか学べません。「すべての選択肢を説明する」方法をとれば、選択肢が4つあれば一問で4つの分野を学習できるので、効率が段違いです。

 

さらにこの方法の利点は、出題者の意図がわかるようになる、ということにあります。出題者は受験生がつまずきやすい部分を熟知して問題を作成しています。それを逆手にとって出題者の狙いが理解できれば、ひっかけ問題にも注意深く対処することができるのです。

 

このような理由から、文法問題集は簡単すぎるレベルから始めるように提唱しています。中学生レベルの文法すら、きちんと説明できる受験生は少ないです。どこかに穴が空いていると、試験の日に思わぬ小石につまずく可能性が残ってしまいます。

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長文や英作文につながる構造分析

構造分析という言葉を聞いたことがない人のために説明すれば、英文中の語句がどの品詞に当たるかを丁寧に読み解くこと、となります。簡単に言えば、文章にSVOCを振ることです。英語には基本5文型があり、和訳問題では受験生が文型を正しく読み取れているかを試されています。

 

実は文型の理解こそが、文法と並んで英語学習の肝にあたります。受験生が苦戦する長文や英作文は、文法と構造分析能力を応用すれば難しくないのです。では、どのようにして構造分析を練習すれば良いのでしょうか。

 

構造分析はすべての問題で練習できます。文法問題を解く際にも、選択肢の根拠を列挙することと同時に、文章にSVOCを振ることをオススメします。しかし、それだけでは不十分です。構造分析の訓練にはある程度長さのある文章を用いるべきでしょう。そのために和訳問題集を活用します。

 

筆者の一押しの参考書は「基礎英語問題精講」です。昔から定評のある一冊で、これをみっちりやり込むだけで英語力が見違えるほど向上します。やり方としては、例文のすべての語句にSVOCを振り分け、振り分けたものに忠実に日本語へと訳していきます。できれば自然な日本語になるように書き直すとより良いでしょう。さらにこの問題集の例文を暗記してしまえば、英作文にも応用できるので、余裕があれば取り組みましょう。

 

文型について詳述することはできませんが、和訳する文章がどの文型に該当していて、文法事項がどのように使われているかを意識するようにしましょう。そして、日本語の文章にもそれらを反映させます。可能であれば先生や講師に添削してもらいましょう。

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英語長文も忘れずに

ここまで文法と構造分析に重点を置くべきと解説してきましたが、長文問題の練習も定期的に行いましょう。

 

とは言っても、長文は文法と構造分析の応用に過ぎません。文法と構造分析ができれば、それらを流れの中で読解に正しくかつスピーディに運用する訓練を重ねるだけです。できれば毎日、気が乗らなくても一週間に3〜4題は解くのが良いでしょう。

 

長文に関しても必ず解答に根拠を持たせましょう。たとえば内容の正誤問題ならば、「第3段落に書かれているから」「本文の趣旨は〜だが設問は逆を述べている」「これについては本文で書かれていない」、といった具合です。はじめのうちは時間がかかるかもしれませんが、必要な訓練だと割り切って取り組みましょう。

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いつまで基礎固めをするの?

文法と構造分析に特化した基礎固めの期間は、春から夏頃までかかると考えておきましょう。秋以降は過去問や複合問題演習に時間を割くため、前半戦でどれだけ基礎を徹底できたかが勝負を分けることになります。退屈に感じるかもしれませんが、英語学習に近道はないと腹を括りってもらいたいです。

 

英語学習はスポーツと同じ?模試の活用法について

英語の成績が伸びない人は、端的に言って勉強量が足りないか、これまで説明したような合理的な方法論を知らないことが原因です。英語学習はスポーツや芸術の訓練と同じで、量だけでも質だけでもダメ、どちらも意識しながら継続しなければなりません。

 

野球のバッターを例えにすると、まずは素振りでバットを振る力を身につけ、次にボールを使った練習を行い、それから試合に挑みピッチャーの投げる球を打ち返すことになります。

 

素振りの段階では何も考えずに振る選手と、実際に打つ場面を想像しながら振る人に分かれます。打撃練習では気持ちよくかっ飛ばす選手と、素振りで固めたフォームを試しながら微調整する選手に分かれます。試合ではなんとなく色々なボールに手を出す選手と、自分が練習で想定した球に狙いを絞って打つ選手に分かれます。

 

どちらが上達するかは明白でしょう。英語も同じで、考えながら学習する人が伸びるのです。英語に置き換えれば、文法や構造分析の基礎固めの学習が素振りにあたり、長文読解がボールを使った練習に、そして模試が試合にあたります。

 

基礎固めで完璧を目指すのは、素振りをするバッターが完璧なスイングを目指すことと同じです。素振りでイメージしなかったコースや球は、試合では絶対に打つことができません。英語の基礎固めも同じです。そして、基礎固めで練習した文法や構造分析を、長文問題を解きながら試してみましょう。読解の流れの中で構造や文法を的確に把握できるか、できなければどこを修正するかを考えましょう。

 

そして模試についてですが、満点を目指す必要は全くありません。満点はよほどのことがない限りとれないように作られています。野球の試合でも、ピッチャーはバッターに打たれないように必死で投げ込みます。バッターは体勢を崩されたりタイミングをずらされたりしながら、どうにか打ち返そうとします。片手一本でヒットを打つ場面を見たことがあるかも知れませんが、素振りの段階で片手ですくい上げる振り方を練習しているわけではありません。実戦では、素振りでイメージした理想のフォームでスイングできることはほとんどないのです。

 

模試も同じように考えるなら、ひっかけ問題や複雑な見た目にすることで、受験生のタイミングや体勢を狂わせようとしていると言えるでしょう。つまり、完璧なスイングが本番でできる打者がいないように、勉強した通りに模試の問題を解ける受験生もいません。出題者に間合いを外されながら、どうにかして点数を拾う練習をすれば良いのです。時には完璧なホームランを放つ受験生もいますが、あまり気にすることはありません。

 

練習では完璧を目指し、一切の妥協をしてはいけません。ですが、模試では理想のスイングができなくても、片手一本でヒットを打っても構いません。本番では緊張やプレッシャーもあって、なおさら会心の出来など期待できませんから、試験中の立て直し方や部分点の拾い方を学びましょう。もちろん、試験後の復習では完璧を目指してください。

 

野球では試合で投手が打たれまいと投げるボールを「生きた球」と表現しますが、受験生にとって模試は「生きた問題」に取り組むチャンスなのです。目先の結果に一喜一憂せずに、凡退に終わった打席さえも、次の打席に向けて役に立ててください。

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浪人生の英語勉強法、まとめ

まとめると、浪人生が英語の成績を伸ばすためには基礎固めの徹底が大切、ということになります。

 

英語をフィーリングで解く受験生もいますが、筆者はあまりおすすめしません。なぜなら筆者自身も感覚に頼って英語を勉強して、あるところで完全に行き詰まってしまったからです。帰国子女の友人も同じ壁にぶつかっている時に、大学で英語を専門に教える先生から文法と構造分析の手法を学びました。英語を得意だと思っている人ほどフィーリングで解きがちですが、英語は論理の言語なのです。

 

もしフィーリングでうまくいかないのなら、文法や構造分析といった論理に頼りましょう。フィーリングで英語を解くのは、センスだけで打っているバッターと同じです。必ずどこかで打てない球=行き詰まりがやってきます。

 

英語学習は地道な訓練の積み重ねです。しかし、それは野球や他のスポーツ、芸術、そのほかあらゆる物事と同じなのです。結果を急がずに丁寧に学習を続けていけば、必ず合格点に達するように大学受験はできています。

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