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漢文道場はどっちがおすすめ?基礎編と通常版のレベルの違い。難易度は東大

この記事では、漢文の参考書・問題集「漢文道場 入門から実践まで」「漢文道場[基礎編]」について、現役予備校講師で私立進学校の国語科教科リーダーを務めた私が、その特徴、効率のよい使い方、またどっちを使うべきかなど、徹底的に解説をしていきます。

 

「漢文道場 入門から実戦まで」とは

・概要:漢文の学力を段階的に向上できるように設計された問題集

・著者、出版社:土屋裕(元駿台予備学校漢文科講師)、Z会

・目安となるレベル、偏差値:共通テスト対策、私立大学対策、国公立大学二次試験の土台作り(偏差値45~60)

・問題数:60題

 

「漢文道場[基礎編]」とは

・概要:漢文の勉強を今から始める人に向けられた問題集

・著者、出版社:Z会編集部、Z会

・目安となるレベル:受験漢文の土台作り(漢文をこれから始める人向け)

・問題数:50題

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漢文道場のレベル、難易度

 

・漢文道場 入門から実戦まで

基礎編、錬成編、実践編の三部からなり、前から順番に解いていくと自然とレベルアップし、大学受験に対応できる知識・読解力が身につけられるように構成されています。

大学受験に必須の句法や語彙は欄外にまとめられており、自分の知識の確認や、素早く復習するのにも適しています。

しかし、タイトルに「入門から実戦まで」とありますが、「漢文道場 入門から実戦まで」のレベルとしては、全体を通して基礎・入門よりは難しく、かといって大学受験の最後の教材として選ぶには少し物足りないという印象です。

内容としては、短いマーク式の問題と、知識の書き取りや短い記述を行うものが大半を占めています。共通テストで漢文が必要な受験生からすれば、求められる知識が難しすぎる上、複数の文章を横断的に見るトレーニングだったり、長い選択肢を選ぶ訓練ができません。国公立の二次試験のような、ある程度の長さを持った記述問題もありませんので、傾向としては私立大学のマーク式の問題に似た書き取り型の問題集ということになると思います。

これはどの教科にも言えることかも知れませんが、やみくもに手を出すのではなく、自分に必要な大学受験の漢文がどのレベルであるのか、いわばゴールの姿を先に知っておき、そこに到達するために必要な問題集を選ぶべきです。

 

志望校別に代表例を紹介しておきます。

・国公立理系(東大を除く)・共通テスト利用型入試を目標にしている人は、漢文の勉強は共通テスト対策まで

・国公立文系を目標にしている人は、漢文の勉強は二次試験の長文記述対策まで

・早稲田大学の文系学部、上智大学の文系学部、GMARCHの文学部を目指している人は、漢文の勉強は難関私立大対策まで

 

実際、この問題集を使用した口コミでも「基礎からだと思って買ったが難しすぎる」「二次試験対策には別の教材を用意した」という意見も見られます。

かなり評判の参考書ではありますが、共通テスト対策としては知識が難しすぎるため、どちらかというと国公立大学の二次試験対策、早上GMARCHの対策の土台づくりとして非常に適切な内容だと思います。

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・漢文道場[基礎編]

「漢文道場 入門から実践まで」でも説明したとおり、「漢文道場 入門から実践まで」は入門と謳いながらこれから漢文を勉強する人には少し難しい内容でした。

そこで、そういった人に向けて作られた問題集がこの「漢文道場[基礎編]」になります。

基本は「漢文道場 入門から実践まで」と似たような構成で、「漢文道場 入門から実践まで」の基礎編に当たる部分を充実させ、難しい部分をカットして、より親切にした問題集だと考えてもらえればと思います。

同じ出版社の問題集ですので、「漢文道場[基礎編]」に取り組んだ後に「漢文道場 入門から実践まで」に着手すると、よりスムーズに効率よく勉強ができるように設計されています。

 

とはいえ、必ずそういった手順を踏まなくてはならないと言うわけでもなく、「漢文道場[基礎編]」でしっかりと基本の内容を学習できれば、それぞれの志望校に向けた対策に舵を切っても差し支えない分量があります

裏を返せば、初めて勉強する人に向けられた問題集であるのと同時に、大学受験に向けた基礎的な学力(入試に頻出の知識など)を一気に詰め込む内容にもなっていますので、漢文に対して強い苦手意識がある人からなどは、「『漢文道場[基礎編]』でも難しい」というレビューもありました。

全体を通した評価としては、「基礎からの問題集であるが、基礎だけになりすぎず、しっかりと抑えるべきところは抑えてある信頼のできる問題集」になるかと思います。

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「漢文道場」の使い方・勉強法

ここからは、具体的に「漢文道場」をどのように利用していくべきかを解説していきます。

 

①これから漢文をべんきょする人

「漢文道場[基礎編]」「漢文道場 入門から応用まで」をおすすめします。

「漢文道場[基礎編]」で受験に頻出の句形や語彙・知識を学習した上で、「漢文道場 入門から実践まで」でより難しい知識や読解問題を練習する流れです。

もし取り組んでみて「漢文道場[基礎編]」が難しく感じられた場合は、河合出版「ステップアップノート10 漢文 句法ドリルと演習」や旺文社「基礎からのジャンプアップノート 漢文句法・演習ドリル」などのドリル形式の問題集にまず取り組んで、漢文勉強のリズムを作るのも良いと思います。

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②漢文をある程度勉強している人

「漢文道場 入門から応用まで」にいきなり着手することをおすすめします。

全60題とかなりのボリュームがありますので、やりごたえは十分だと思います。

一通りこなすだけでもかなりの力になりますが、より漢文を得意にしたい人は、特に後半の文章問題パートで、「いかに点数を取るか」ではなく「いかに文章を読み切るか」を目標に取り組んで貰えるとよいかと思います。

具体的には、

1、文章の書下し文を作成する……読めない漢字は調べる

2、文章の現代語訳を作成する……わからない句法は調べる

3、その上で問題を解く

の流れをおすすめします。

どうしても問題を解くことに重きを置いてしまうと、文中にわからない表現があっても「問題が解けたからいい」という気持ちになってしまいやすく、より深く学び取ろうとする姿勢になりにくいです。

また、句法や語彙などは、そのまま暗記しているだけではなかなか得点に結びつけることができません。実際の文章の中でその知識を取り出して使うことで、本当の学力として定着することができるのです。

それを徹底して行う方法が、「1、文章の書下し文」であり、「2、文章の現代語訳」になります。この問題集でここまでの勉強をやり切れた人は、漢文の勉強がほとんど終わったといっても差し支えないと思います。

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漢文道場が終わったら次は?

「漢文道場 入門から応用まで」の問題の傾向としては難関私立大学の対策に寄ったものになりますので、共通テストで満点を狙いたい人、国公立大学の二次試験向けの長文対策をしたい人は、その上でさらに別の対策を取る必要があります。

以下、具体的におすすめを挙げておきます。

 

・共通テストが最終目標の人

共通テスト向けの漢文の問題集共通テストの過去問(赤本、黒本、青本)、各予備校の共通テスト予想問題集(Z会:共通テスト実戦模試、河合出版:マーク式総合問題集、駿台:共通テスト対策問題集など)

 

・国公立二次試験(東大、旧帝大含む)が最終目標の人

河合出版「得点奪取 漢文」各大学の過去問(赤本)の書下し、現代語訳

※国公立大学の二次試験は、東大や旧帝大を含め、ほとんどの問題で「現代語訳」を要求してきます。付された問題が解けるか解けないかも勿論大切ですが、問題になっていない箇所の「書下し+現代語訳」ができるように勉強しておくことも大切です。

 

・難関私立大学(早稲田大学の文系学部、上智大学の文系学部、GMARCHの文学部等)が最終目標の人

各大学の赤本(早稲田であれば教学社「早稲田の国語」もあり)、河合出版「入試精選問題集 漢文」(「漢文道場 入門から実践まで」の実践編と同系統の問題集です)

「高校英文法をひとつひとつわかりやすく」のレベル!やり方と口コミ

私は受験生の時に偏差値40前半で浪人し、1年で偏差値を30上げて早稲田大学に合格したものです!

この記事では私が大学受験の際に使用した「高校英文法をひとつひとつわかりやすく」について内容を詳しく紹介していきます。

 

皆さんは英文法の重要性を理解していますか?

英文法は英語を読むため、書くために必要な最低限のルールです。

単に、英単語を覚えただけで英文の理解ができるようになるわけではありません。

2020年度から始まった大学共通テスト。

その中では英文法の出題はなくなりました。

英文法が苦手な受験生の多くは歓喜したのではないでしょうか。

とはいえ、英文法の勉強をしなくていいわけではありません。

英文法は長文読解、英作文、リスニングなどの基礎をなしています。

基礎ができていないにも拘らず、応用問題を解くことは絶対にできません。

基礎を固めるためにも、まずは英文法に注力しましょう。

 

その際におすすめなのが、今回紹介する「高校英文法をひとつひとつわかりやすく」です。

英語があまり得意ではない方や、英語にあまり注力してこなかった方にはもってこいの参考書です。

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「高校英文法をひとつひとつわかりやすく」とは?簡単に紹介!

ネットの評判や口コミでは以下の概要が紹介されています。

・概要:カラーで図も用いて英文法の解説がある初心者向けの参考書

・著者・出版社:富岡恵(学研)

・レベル、偏差値:基礎レベル、受験期の基礎固め

・CDや音声の有無:CDがついており音読ができる。

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「高校英文法をひとつひとつわかりやすく」難易度は受験基礎レベル!

「高校英文法をひとつひとつわかりやすく」はわかりやすく文法を解説している参考書です。

高校で英語を学んでいる人が身につけておくべき基礎事項が集録されています。

本書のレベルは高校教科書レベルから共通テストまでと言えるでしょう。

一見すると受験期に差し掛かった2年生や受験に突入した3年生にとって関係のない参考書に思われるかもしれません。

しかし、受験勉強を本格的に始める方ほど基礎固めが大事なのです。

 

冒頭で解説した通り、文法は英語力の根幹をなしています。

基礎レベルができていない状態で応用問題を解けるようには絶対になりません。

少しでも文法に不安がある方はこの参考書を見返してみるのはどうでしょうか。

またイラスト付きなので視覚からも楽しく学習することができます。

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「高校英文法をひとつひとつわかりやすく」の使い方、進め方

では「高校英文法をひとつひとつわかりやすく」を使って勉強を始めてみましょう。

以下のステップで進めるのがおすすめです!

⑴英語の基礎ルールを学ぶ

この「英語の基礎ルール」ですが、大半が中学レベルの内容です。

しかし英語を勉強する上で、欠かすことができない必須知識なのでしっかりと復習しておくと良いでしょう。

巻頭に「英語の文をつくるパーツ」「単語の役割に関する用語」などが一覧でまとめられており、基礎の”キ”として押さえるべき内容を、図でまとめられています。

「英語の基礎ルール」は必ず時間をとって閲覧しましょう。

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⑵講義を読んで基礎練習を解く

各章の解説を読んでいきます。体系的に文法事項がまとめられています。

各章の内容をマスターしたら学んだことを生かして例文を作成してみると良いでしょう。

自分で例文を作成することで、その文法がどのような場面で使われるのかイメージできます。

 

⑶10章ごとの「入試問題にチャレンジ」解く

10章ごとに「入試問題にチャレンジ」という項目があります。

ここまで学習してきた内容を力試ししましょう。

問題を解いてみると、間違ってしまうことや忘れていることに気がつくこともあることでしょう。

せっかく覚えた文法なのに間違ってしまうと目を背けたくなりますよね、、

しかし、この時が成長のチャンスです。

間違った問題を復習するために該当の解説ページに戻ることをおすすめします。

間違った原因を分析することが成績アップの近道です。

間違った問題にはチェックを入れておいて、解き直しができるようにしておきましょう。

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⑷音声CDを活用してディクテーションとシャドーイングに取り組む

本書には本文の音声CDがついています。

このCDを使ってディクテーションとシャドーイングをすると良いでしょう。

 

①ディクテーションとは

まず、ディクテーションについて簡単に紹介します。

ディクテーションとは英語を聞きながら、一語一句書きとるトレーニングです。

皆さんの中に「文章は簡単に読めるのに、リスニングはなかなか聞き取れない」という悩みを持たれている方もいらっしゃるでしょう。

ディクテーションを通じて「英文を読むことができる」というレベルから、「英文を聞いて理解することができる」というレベルに自身の英語力を向上させることができます。

具体的なディクテーションの方法ですが、音声を聴きながらノートに文章を書きます。

複雑な文章は一文一文止めて、順番に書いていきます。

知らない単語や綴りがわからない場合はカタカナで記載しておくのも良いでしょう。

最後に聞き取れなかった英語を繰り返し聞き直します。

数回聞いた後、答え合わせをしていきましょう。

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②シャドーイングとは

次にシャドーイングです。

シャドーイングとは耳で聞き取った英語を真似して発音する学習法のことを言います。

一文ずつ聴き終えてから口に出すのではなく、音源が聞こえてから0.5秒ほど後を復唱します。

シャドーイングで期待できる効果としてはスピーキング力の向上です。

シャドーイングを通じて定型文の知識が増えて、英語に対する反応スピードが向上します。

また言葉がスムーズに出てこない時の「繋ぎ言葉」を覚えることで自然な形で会話ができるようになります。

ディクテーションとシャドーイングの方法を理解できたでしょうか。

教材を見て文法を記憶するだけではなく、耳で聞いたものをアウトプットすることで確かな英語力が付きます。

本書では難解な英文は少ないため、リスニングや発音が苦手という人も取り組みやすいでしょう。

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「高校英文法をひとつひとつわかりやすく」が終わったら何に取り組むのがおすすめ?

⑴共通テスト対策向けてNext StageやVintageに取り組む

本書で基礎固めが終わったら、共通テストに向けた対策に移ります。

王道ですがNext StageやVintageなどがおすすめです。

文法に加えて語法・イディオム・会話表現・発展レベルの単語まで各章で網羅されており、基礎からかなり高いレベルの問題まで幅広く出題されています。

単に解説を丸暗記するのではなく、問題を通じて英語の本質を理解することで共通テストでかなりの高得点をマークできる参考書としておすすめします。

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⑵共通テスト〜中堅私大(日東駒専、MARCH)の対策には「竹岡の英文法・語法アルティメット」がおすすめ

また文法の参考書としておすすめするのが、「竹岡の英文法・語法アルティメット」です。

これは各単元がランダム形式で、文法の演習ができる参考書です。

本書の特徴として問題量が豊富なことはもちろんですが、何より解説が詳しいのが受験生にとって嬉しいポイントです。

問題の解説だけはなく、周辺知識から受験生が陥りやすい落とし穴まで丁寧に説明されています。

この一冊で共通テストから中堅私大レベル(日東駒専、MARCH)の対策はバッチリと言えるでしょう。

ネットの評価やレビューでも「適度な問題数と詳しい解説が掲載されており、愛用しています」といった声も多いです。

ぜひ活用してみてください!

「時代と流れで覚える!日本史B用語」の難易度は共通テスト~MARCHレベル!使い方も

・はじめに:この文章を書いている人

 

・偏差値50台の公立高校から現役で早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学計8学部に合格。

⇛高3になって最初の模擬試験では上記の全ての大学でE判定。

 

・家計事情から塾に通うことができず、参考書を軸にした学習を継続し合格。

 

・現在は大手大学受験予備校で勤務。東大・京大・一橋大といった難関大・医学部医学科・早慶大など難関私立大志望者から、偏差値40未満から逆転合格を目指す生徒に至るまであらゆる状況の生徒をのべ1000人以上指導。自習で使ってもらう参考書の選定・参考書を進める計画などを指導し、成績向上に寄与する仕事を続けてきました。

 

この記事では『時代と流れで覚える!日本史B用語』の内容やレベル、使い方について解説します!

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・『時代と流れで覚える!日本史B用語』とは?簡単に紹介

・概要:日本史B重要用語を一冊で網羅できる一問一答型の参考書でありながら、従来の日本史一問一答型参考書と異なり、歴史的な流れの中で語句の意味をおさえられるようにデザインされた日本史一問一答の新しい定番参考書

 

・著者(出版社):鈴木和裕(文英堂)

 

・想定志望レベル:日本史を受験で使う全ての人。具体的には共通テストの日本史Bで70点以上獲得したい人/GMARCH・関関同立の日本史で合格点を取りたい人/国公立大二次試験や早慶大入試の日本史で合格点を取るための基礎固めをしたい人

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・『時代と流れで覚える!日本史B用語』は初心者におすすめ

『時代と流れで覚える!日本史B用語』は、共通テストや私大入試で合格点を取りたい人やから国公立大や早慶大といった難関大入試に向けた準備にも充分活用できる日本史一問一答型の参考書です。難易度的には、共通テストやGMARCH・関関同立大レベルの入試問題であればこれ1冊で充分合格点が取れるレベルです。早慶大や国公立大二次試験レベルだとこの1冊以上の知識が求められることもありますが、必要最低限の知識は充分この1冊で習得できると考えて問題ありません。

学校の授業や教科書、いわゆる講義系参考書などで一通り時代の流れを掴んだ上で、この参考書に取り組むとかなり効率的に知識のインプットが出来るようになります。

この参考書の特徴については後ほど詳しく紹介しますが、この『時代と流れで覚える!日本史B用語』は私が予備校で教えていた時もかなり多くの生徒から支持されていた一冊です。具体的な良かった点を生徒に尋ねると、「ただ語句が羅列されているだけでなく、実際の文章の中で語句を覚えられるから問題に応用しやすい」「教科書や他の一問一答に比べてページ数が少ないので短い時間で仕上げられる」といった感想が挙がりました。

また、この参考書の評判をレビューや口コミを見てみると「これが一通りできれば日本史で困ることは少なくなる」「サブテキストとして優秀」「教科書の内容をわかりやすくまとめてくれている」などの評価を確認できました。

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メリット・デメリット

上でも簡単に述べましたが、この参考書の最大の特徴は「日本史の用語を実際の文章の中で覚えることが出来る点」です。

これまでも日本史一問一答形式の参考書は多くありましたが、そのほとんどが用語とその用語の簡単な意味の記載が箇条書き的に羅列されるという形式のものでした。知識量的にはその形式で充分ですし、その形式の本で成績を上げた生徒も数多くいます。一方、暗記がそこまで得意でないという人にとっては無機質にひたすら語句と意味を覚えていくという勉強法方法が合わず、悩む声が多かったという事実もあります。

また、断片的に語句とその意味だけを覚ようとしても、なかなかその語句と意味が結びつかなかったり、一問一答の中で語句を覚えたと思っても実際の問題を解いてみると覚えたはずの語句が出てこない、という状況に陥ってしまうパターンも多く多くの日本史学習者の悩みの種となっていました。

こういった悩みを解決するためには、語句を歴史的な流れの中で捉える、ということが重要です。そして歴史的な流れをおさえるとは、語句と一緒に「その理由や原因」と「結果」を一緒におさえる、ということです。

 

語句と一緒に「理由や原因」と「結果」を一緒におさえるということが具体的にどういうことか簡単に例を挙げます。

 

例文)江戸幕府は1860年に「五品江戸廻送令」を発出し、雑穀・水油・蝋・呉服・生糸の五品を輸出する際、必ず江戸の問屋を慶友して輸出するよう取り決めた。

 

例えばこの5品目を覚えようとしたときに、ひたすらこの5品目を覚えるという考え方も出来ますが、時代背景(江戸で生活必需品が品薄になっていた)を踏まえて、「生活に絶対必要な5品目」を対象にしたと把握すると、雑穀(食)・水油(灯火など・住)・蝋(灯火・住)・呉服(衣)・生糸(衣)と対象品目は全て衣食住に不可欠なものだった分かります。

そうすると、選択問題で例えば「茶」という選択肢が紛れていたとしても「茶は当時嗜好品で必需品ではない(水を飲めば生きていける)」という考えから間違った選択肢を選ばずに済むようになるのです。

 

このように、語句を歴史的な流れの中で正しく捉えることは日本史で点数を上げるために重要なポイントであることが分かります。

 

話が戻りますが、この『時代と流れで覚える!日本史B用語』は語句をこの「流れ」に沿って、そして「場所」の中で覚えられるようにと工夫が凝らされた参考書です。

実際の入試で出題されるような文章の中で語句を覚えることで実際の入試問題にスムーズに移行できるようになっている点がこの参考書の最大の特徴でありメリットです。

もちろん、覚えるべき語句のところは赤字になっており赤シートでインプットが出来ているか確認できるようになっているのでどこを覚えるべきなのかも悩むことなく取り組めるようになっています。

 

反対にデメリットを挙げるとすると、一冊がコンパクトになっている分、掲載されている語句の数は従来の一問一答(例えば東進ブックスから出版の『日本史B一問一答』など)と比べると少ないと考えられます。特に早慶大などを志望する人やGMARCH・関関同立大の日本史で9割以上得点したい/かつ日本史の流れは学校の授業などでバッチリという人にとってはより語句の網羅度が高い一問一答がおすすめです。

 

まとめると、

 

<『時代と流れで覚える!日本史B用語』をおすすめしたい人>

・共通テストで8割以上取るために必要な知識を歴史の流れの中で習得したい人

・私立大入試(早慶大除く)で合格点を取るための知識をスピーディーに習得したい人

・国公立大二次試験対策に向けて重要な語句をスピーディーに習得したい人

・無機質な暗記が苦手だと感じている人

・入試本番まで時間がなく、少ない時間で基礎を固めたい人

 

<『時代と流れで覚える!日本史B用語』をおすすめしない人>

・早慶大を志望し、すでに歴史的な流れはおさえておりマニアックな単語の習得に臨みたい人

 

<『時代と流れで覚える!日本史B用語』だけだと知識が不十分だと考えられる人>

・早慶大を志望し、教科書欄外レベルの細かい知識まで習得する必要がある人

・東大・京大・一橋大や筑波大などを志望し、二次試験で論述に取り組む必要がある人

 

ということになります。ぜひ参考にしてください!

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『時代と流れで覚える!日本史B用語』の使い方

 

★前提:使い方の前に

『時代と流れで覚える!日本史B用語』は一冊で歴史の流れと語句を一緒におさえられる参考書ですが、それでも時代の流れや因果関係を全て網羅しているわけではないので、理想としてはこの参考書にいきなり取り組むのではなく、その前に学校の授業やプリント、映像授業(スタディサプリなど)、講義系参考書(詳細は最終章で)、歴史漫画などで各時代の概要を把握した上でこの参考書に取り組みたいです。そうすることで『時代と流れで覚える!日本史B用語』により取り組みやすくなります!

 

①まずは、文章を3回音読する。

まずは語句を赤シートで隠す必要はないので、語句を覚えるための文章をそのまま3回音読しましょう。3回音読するメリットは、「これから本格的に暗記する内容をイメージできる」「見たことない語句や意味が理解できない語句が存在しないか確かめることができる」ことです。

 

②見たことがない語句や意味が説明できない語句があったら、「解説ページ」や「日本史B用語集」で確認し、その意味を余白に書き込む。

①で音読をしていると見たことがなかったり、意味がわからない語句に出会うかもしれません。そういった場合は、この参考書の説明ページに説明が載っていないかまずは確認しましょう。説明が見つからない場合は『日本史B用語集』でその言葉を調べ、意味を参考書内に書き加えておきましょう。実際の入試問題では、語句だけ覚えていてもその意味がわからないと問題を解くことは出来ませんのでこの作業は必ず怠らないようにしましょう。

また、『日本史B用語集』が手元にない方は購入することを強くおすすめします(電子辞書をお持ちの人はその中に用語集が収録されているかもしれません)。

 

③赤シートで隠しながら「流れで覚える」の中の語句を全て言えるようになるまで繰り返し音読する。

②までの作業を通じて、これから覚える語句がどのような意味なのか理解できたはずです。その状態になったらいよいよ本気で語句のインプットに努めましょう。やり方としては短時間で繰り返し反復が可能になる「音読」をおすすめします。具体的には、赤シートで隠しながら「流れで覚える」の文章を読み進めていきましょう。そして赤シートで隠した語句が頭に浮かばなかったら、最初に戻りもう一度最初から赤シートで文字を隠しながら文章を読み進めていきましょう。最終的に赤シートで隠しながらでも全ての語句を思い出しながら文章を読み切れたら一旦OKです。記憶を強固にするためには、この「思い出す」という作業を何度も何度もしなければいけません。大変ですが非常に力がつく方法ですので、ぜひ参考にしてください!

実際に私は高3の夏の段階で日本史の偏差値は52程度でしたが、音読を中心に「全ての語句を隠しながらでも言えるようになるまで繰り返し文章を音読する」という学習を2ヶ月程度徹底したところ、10月の河合塾記述模試の日本史では偏差値が77まで伸びました。予備校で担当する生徒に実践させてもほぼ全ての生徒が効果を実感できる学習方法なので、ぜひ根気強く取り組んでみてください。

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④翌日・一週間後に③の作業をもう一度実施する。

③の作業を行うとその分野についてはかなり力がついたことを実感できるはずです。

ただ、人間はそれだけ頑張ってもどうしても忘れてしまう生き物です。忘れてしまうことについて落ち込む必要はありません。ただ、忘れてしまうのであればその対策をすることは重要です。対策として重要なのが、「翌日と1週間後にもう一度③の作業を実施する」ということです。インプットしたことを反復する日をあらかじめ設定しておくことで、その分野についての知識を長期的な定着につなげることが可能になります。

 

『時代と流れで覚える!日本史B用語』が終わったら次は?

『時代と流れで覚える!日本史B用語』が完遂できたら、基本的には志望校に合わせて問題演習を本格化させていきましょう。

 

<GMARCHや関関同立志望者におすすめの日本史問題集・参考書>

・『日本史問題集 完全版』

・『実力をつける日本史100題』

・『全レベル問題集日本史B 私大標準レベル/私大上位・最難関レベル』

・『関関同立日本史問題集』など

 

<早慶大志望者におすすめの日本史問題集・参考書>

・『日本史用語集』⇛マニアックな内容の収集には用語集が一番適している。

・『攻略日本史テーマ・文化史 整理と入試実践』⇛高レベルなテーマ史・文化史対策に有用。

・『実力をつける日本史100題』

・『日本史標準問題精講』

・『全レベル問題集日本史B 私大上位/最難関レベル』

・『早稲田大学入試対策用 日本史問題集』など

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<東大・一橋大・筑波大など論述対策が必要な人におすすめの日本史問題集・参考書>

・『日本史の論点 論述力を鍛えるトピック60』

・『段階式 日本史論述のトレーニング』など

 

【番外編】※日本史の流れを一から理解したい人向けの参考書・コンテンツ

・「スタディサプリ日本史」⇛講義が非常にわかりやすく作られているため学校の授業代わりに使いやすい。予習も可能。

・『金谷の日本史 なぜと流れがわかる本』⇛網羅度に欠けるが、スピーディーに通史を理解できるという観点においては右に出る参考書はない。

・『石川晶康 日本史B講義の実況中継』⇛網羅度は高く、この1冊で全ての大学に対応可能。ただそれと引き換えに量が非常に多いので始める時期に注意。私大志望者向けか。

ピラミッド英文法を評価します!難易度はMARCH~早慶レベル!使い方も

みなさんこんにちは!

今回は英文法の参考書、「ピラミッド英文法」についてレビューしていきます!

この「ピラミッド英文法」は玄人向けの参考書ではありますが、意外にも英語が苦手だけど上達したい人にももってこいの一冊です。

それでは、一体どのような参考書なのか、実際に中身を見ながらじっくり解説します!

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ピラミッド英文法とは

ピラミッド英文法は、代々木ゼミナールの講師である妹尾真則先生の著作で、その名の通り英文法をピラミッドのように体系的に捉えた参考書です。

妹尾先生は大学受験のプロとして主に京大英語を担当しており、代々木ゼミナールでも実力派の講師の一人ですが、「英語を丸暗記ではなく根底からきちんと理解する」ことをモットーとしています。

 

なぜ英語を体系的に理解することが必要になるのかというと、土台となる部分がきちんと確立できていないと正しい英語が身につかないからです。

例えば、そもそも単語を分かっていないと文章は読めませんし、文法を理解していないと構文が分かりません。

同様に、構文が分からないと長文は読めませんし、長文が読めないと英作文は書けない・・・といったように、正しく英語を学習するためには、ピラミッドのような階層構造で学んでいく必要があるのです。

そこで、「文法」というピラミッドに特化しているのが「ピラミッド英文法」なのです。

 

本書は、品詞と5文型→動詞→不定詞→分詞→動名詞・・・といったように英文法の基礎的なところから応用部分まで順番に学ぶことができます。

品詞や文型を理解していないと様々なパターンの動詞が出てくる文章を理解することができません。

 

実はここに、英語が得意な人とそうでない人の差が生まれます。

英語学習でつまずいてしまっている人の大半が文法をきちんと理解していないことが多いのですが、早稲田・慶應に合格する人はきちんと文法を理解しているからこそ、難しい英作文もスラスラと解けるのです。

英語学習で苦戦している人にとって、まさに突破口となるようなヒントがたくさん詰まった一冊といえるでしょう。

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ピラミッド英文法のレベル、難易度

代々木ゼミナールのホームページで「ピラミッド英文法」の難易度を確認すると、「応用」となっています。

目次を見るとスタンダードなレベルの文法書に見えますが、ページを開くと文中にはやや専門的な用語が出ているため、読み物としては確かにやや難しいということでしょうか。

例えば、第1文型と第3文型は補語がなくても文が成立する動詞が使われますが、これを本書では「完全動詞」と呼んでいます。(逆に補語を必要とする動詞は不完全動詞と呼んでいます。)

これらは高校英語の教科書レベルでは学ばない用語ではありますが、「動詞の語法を理解することが文型理解の要である」と書かれている通り、英語を根底からきちんと理解するためには、動詞の呼び方を定めた上で学習する必要があるのです。

 

また、本書を対象とするレベルですが、早慶志望の方はもちろん、MARCHレベルの大学を目指している人も文法があやふやだと得点できませんから、本書に書かれている内容はどれも必須事項となります。

早慶を目指して英語の勉強を始めた方や、MARCH志望の方で少しでも文法に不安のある方は、すべて理解できるまで熟読することをおすすめします。

専門用語が並んでいるため、英語初学者にとっては難しい内容に感じるかもしれませんが、書かれていることはどれも基本的で重要な事ばかりですので、文法を学び直したい方や、単語を覚えたので次は文法を学びたい、といった方にもおすすめです。

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ピラミッド英文法の使い方、勉強法

「ピラミッド英文法」は文章でぎっしりと文法に関する解説が詰め込まれていますので、読み物として使うのがよいでしょう。

もちろん、この本で文法を学ぶ前には英単語はしっかりと身についていることが前提です。

本書にはそれほど難しい語彙は出てこないですから、読んでいて単語が分からない、という人は英単語から学び直しましょう。

 

そして、「ピラミッド英文法」を読み進めるときに注意したいのは、「分からないところがあったらうやむやにせずにその場で徹底的に理解に努める」ことです。

前述の通り、英語は体系的に学ぶことが非常に重要です。

本書も、読み進めるうちに少しずつ英語学習に対する考え方を深めていけるように作られています。

そのため、分からないところは何度も熟読し、時には他の参考書も併用しながら理解に努めましょう。

 

ネットの評価や評判を見ると、「例題が少ない」と言ったレビューも散見されますが、演習をしたいのであれば別の問題集を使うのがよいでしょう。

本書で文法の重要事項を頭に入れた上で、演習は別の問題集を併用していくのがおすすめです。

 

少し余談になりますが、同じ参考書を何回も読んで完璧に頭に入れることも大切ですが、つまみ食いのように一つの参考書から一つのことを学ぶだけでも非常に大きな価値があると思っています。

私も受験生のときはたくさんの参考書を買いましたし、それらは今でも大きな財産になっています。

英文法については「ピラミッド英文法」をバイブルとしながらも、足りない部分や理解しにくい部分は他の参考書も一緒に参照することで、効率的に勉強することがでるでしょう。

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ピラミッド英文法が終わったら次は

繰り返しになりますが、「ピラミッド英文法」は文法の基本事項を体系的に学ぶ参考書となっているので、この本が終わったら次は長文読解にステップアップしましょう。

本書を読み込んで文法が身についていれば、長文に出てくる構文の意味も捉えられるようになっているでしょう。

長文のテキストは、早慶・旧帝レベルにも十分対応できる「ポレポレ英文読解のプロセス50」や「やっておきたい英語長文700」などがおすすめです。

 

最後に、「ピラミッド英文法」は文法を階層構造で頭に入れるだけでなく、英語は体系的に学ぶものであるという著者のメッセージが込められています。

英語の勉強が苦手な方も、英語に対する頭の使い方や考え方を変えれば飛躍的に点数を伸ばすことができますので、諦めずにトライして志望校合格を目指しましょう!

ルールとパターンの英文解釈は難しい!MARCH~早慶レベルの難易度!音声無し

・はじめに:この文章を書いている人

 

・偏差値50台の公立高校から現役で早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学計8学部に合格。

⇛高3になって最初の模擬試験では上記の全ての大学でE判定。

 

・家計事情から塾に通うことができず、参考書を軸にした学習を継続し合格。

 

・現在は大手大学受験予備校で勤務。東大・京大・一橋大といった難関大・医学部医学科・早慶大など難関私立大志望者から、偏差値40未満から逆転合格を目指す生徒に至るまであらゆる状況の生徒をのべ1000人以上指導。自習で使ってもらう参考書の選定・参考書を進める計画などを指導し、成績向上に寄与する仕事を続けてきました。

 

この記事では『ルールとパターンの英文解釈』の内容やレベル、使い方について解説します!

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・『ルールとパターンの英文解釈』とは?簡単に紹介

概要:20世紀後半に駿台予備学校の英語講師として名を馳せ、「受験英語の神様」とも称された伊藤和夫先生が著作の英文解釈解説本。

元々、同名のラジオ英語講座を担当していた伊藤和夫先生。そのラジオ講座の内容を語り口調そのままに講義風の参考書として書籍化したのがこの『ルールとパターンの英文解釈』です。

 

・著者(出版社):伊藤和夫(研究者)

 

・想定志望レベル:難関国公立大学(少なくとも横浜国立大・千葉大・筑波大レベル以上)や難関私立大学(明治大・青山学院大・同志社大レベル以上)を志望する方。

基本的な語彙力・文法力・英文構造を把握する能力を身に付け、入試レベルの英文を読みこなす対策を本格的に始めたい方向け(河合塾模試で偏差値55、0以上)。

・音源の有無:なし

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・『ルールとパターンの英文解釈』は難しいから注意!

『ルールとパターンの英文解釈』は、難関国公立大や私立大学の入試で出題される複雑な英文を攻略する上で知っておきたい英文のルールや頻出パターンを13のルールと9のパターンにまとめた一冊です!

英単語・英文法・5文型の理解といった大学受験英語の基礎固めを確実に完了させた上で入試レベルの複雑な英文を攻略する技術を学びたい人にはこの参考書がおすすめできます!

著者の伊藤和夫先生ですが、一言で言えば「大学受験英語界のレジェンド」です。今現在、書店に行くと英文解釈の参考書は本当にたくさんありますが、この英文解釈という概念を作ったのが伊藤和夫であり、今この世にある全ての英文解釈参考書は伊藤先生の考え方に影響を受けていると言っても過言ではないでしょう。

英文を和訳するにあたっての本質的な考え方を学べる参考書ですので、基礎学力を身に付けた上でじっくり取り組んだら間違いなく英文読解力が向上します!

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一方でこの『ルールとパターンの英文解釈』を使うにあたって気をつけないといけない点がいくつかあります。

 

【『ルールとパターンの英文解釈』が向いている人】

・一般的な5文型についての理解がしっかり出来ている人

・講義口調で書かれている参考書が読みやすいと考えている人

・取り組みやすさを重視した解説よりも、読むのが大変だとしても本質を貫いた解説の本に取り組みたい人

・現代文が得意で固めの文章を読むことに抵抗がない人

・志望大学を考えたときにリスニング対策があまり重要でない人

 

【『ルールとパターンの英文解釈』が向いていないかもしれない人】

・現状フィーリングで英文を読んでおり、5文型に対する理解に自信がない人

・レイアウトが見やすい参考書で勉強したい人

・出来れば分かりやすさ・取り組みやすさを重視した参考書で勉強したい人

・固めの文体だと文章があまり頭に入ってこない人

・リスニング対策を同時に進めたい人

 

最初に確認しておきたいのは、この『ルールとパターンの英文解釈』の解説では、一文一文にS・V ・Oといった構造が記されていません。

この5文型についての理解がままならない状態の人にとって本書は難しく感じるかもしれません。実際に口コミやレビューを見ても「5文型の説明がないため難しく感じた」といった感想が多く見られます。ですのでそういった人はより基礎的な英文解釈参考書に取り組んでから本書に取り組むようにしましょう!

反対にある程度5文型の理解が済んでいる人にとっては自分の英文読解力を更に引き上げられる参考書です。長年ノウハウが受け継がれている伊藤和夫先生の著書だけあって、英語の本質を貫いた解説に対しての評価は極めて高いです!

 

次に『ルールとパターンの英文解釈』に限らず伊藤和夫先生の著作は本質的な解説が満載である一方で、「読者にとって読みやすい文章」というよりは「固めの文章ではあるが、読者に頭を使って読み解いてもらうことを期待した文章」であると思います。なので簡単に言えば、ある程度の国語力がないと実際の参考書の難易度以上に内容を理解するのが難しく感じられるでしょう。裏を返せば、英文ひとつひとつ「なぜこうなるのか」をしっかり文章で解説しているので、しっかりと読みこなせれば確実に理解度がアップする作りになっていますので一度取り組み始めたら根気強く取り組み続けましょう!

 

最後に、『ルールとパターンの英文解釈』には音声がありません。英文をシャドーイングしたいという人や志望大学の入試でリスニングが出題されるため、読解とリスニングの勉強を両立させたいという人はその点に気を付けてください。

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・『ルールとパターンの英文解釈』の使い方

★前提:使い方の前に

『ルールとパターンの英文解釈』は最初の章で「13のルール」と「9のパターン」が示され、その後約40の文章を丁寧に読んでいく中で、冒頭で示されたルールとパターンを使えるようにしていく、という構成をとっています。

取り上げられているひとつひとつの文章に「どんなルールやパターンを学ぶか」が明示されているわけではなく、全ての文章をやりきると自然とルール・パターンが身に付いているという作りになっているため、「時間をかけて丁寧にやりきる」ことが求められています。

この点を踏まえるとおよそ40の文章をしっかり理解しきるためには、少なくとも1~2ヵ月の時間は必要です。

よって、取り組む時期の理想は「高2までにやりきる」ですが既に高3の場合は遅くとも「8月末まで」にはやりきっておきたいところです。

 

★使い方

①解説・解答に頼らず、まずは自力で英文の日本語訳を作成する。

まずは1文につき10分以上かかっても構わないので、ノーヒントで目の前の文章を訳出してみましょう。理由は2つあります。

1.思考力を鍛えるため 

入試本番でもわからないなりに自分で推測して答案を書き上げるという力が必ず要求されます。

2.自分が理解できていない点を明確化し、効果的な復習につなげるため

自分がノーヒントで思考し、解決できなかったことには印をつけましょう。そうしておくことで解説の中でどこを確認するべきか明確になり、自分が身につけるべき知識・考え方に集中することが出来ます。

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②解説を熟読し、もう一度訳出してみる。

自力で訳出をした後は、解説を確認し自分が解決できなかったポイントはどのように考えれば解決に導けるのか、そのポイントをチェックしましょう。

解決のためのポイントが理解できたら、例文に戻りもう一度日本語訳を作成しましょう。そうすることで理解できたと思ったことが本当に再現できるのか確かめることができます。

 

③英文への理解が深まったら、その文章を10〜15回音読をする。

②までの作業を通じて、どうすれば正しく訳せるのか「理解」することができます。ただ、「理解」すること=「入試本番で活用できること」ではないので理解できたことを体に染み込ませる作業をすることが必須です。そこで有効なのが音読です。

目の前の英文を15回を目標に繰り返し音読することでその形の英文に対して反射的に反応する力を養うことができます。実際に私は偏差値60前後くらいまでは届くようになったけど、偏差値65になかなか到達しないという苦しい時期に、この「理解できた英文を音読する」という作業を徹底する習慣を取り入れたところ、2ヶ月程度で模試の偏差値が68まで伸びました。予備校で担当する生徒に実践させてもほぼ全ての生徒が効果を実感できる学習方法なので、ぜひ根気強く取り組んでみてください。

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・ルールとパターンの英文解釈が終わったら次は?

★旧帝大や早慶大を志望する人

『ルールとパターンの英文解釈』の内容が定着できたら、いよいよ志望大学レベルの英文が多く掲載されているような発展的な英文解釈の参考書に取り組めると理想的です。

英文解釈の勉強が終わったらいよいよ長文読解の練習に進みましょう!実際の長文を読む中でこれまで勉強してきた英文解釈の成果を発揮できるか確かめながら実戦力を強化していくと一気に得点力が上がります!

 

<『ルールとパターンの英文解釈』の次に取り組みたい英文解釈参考書>

・『英文解釈教室【新装編】』

・『ポレポレ英文読解プロセス50』

・『英文読解の透視図』

・『Top Grade 難関大突破 英文読解問題精選』

 

<旧帝大などの難関大志望者におすすめの長文読解参考書>

・『Top Grade 難関大突破英語長文問題精選』

・『大学入試英語長文ハイパートレーニング 難関大編』

・『やっておきたい英語長文700/1000』

・『大学入試 英語長文記述式トレーニング問題集』

・『合格に導く英語長文 Rise 読解演習(最難関)』

・『パラグラフリーディングのストラテジー 国公立大対策』など

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<早慶大など難関私立大志望者におすすめの長文読解参考書>

・『Top Grade 難関大突破英語長文問題精選』

・『大学入試英語長文ハイパートレーニング 難関大編』

・『やっておきたい英語長文700/1000』

・『大学入学問題集 関正生の英語長文ポラリス(3 発展レベル)』

・『関正生のThe Rules英語長文問題集(3 入試難関)』

・『パラグラフリーディングのストラテジー 私立大対策』

・『大学入試英語長文plus速読トレーニング問題集』など

 

★その他国公立大学や私立大学を志望する人

『ルールとパターンの英文解釈』を理解できたら英文解釈で困るということはほとんど無くなるはずです(※東京外国語大など英語難易度が高い大学を除く)。

よって、長文読解問題集などを用いて実際に長文で得点を取るための思考力や判断力といった実戦力の向上を睨んだ学習に進みましょう!

 

<国公立大志望者におすすめの長文読解参考書>

・『大学入試英語長文ハイパートレーニング 標準編/難関大編』

・『やっておきたい英語長文500/700』

・『大学入試 英語長文記述式トレーニング問題集』

・『合格に導く英語長文 Rise 読解演習(標準〜難関編)』

・『パラグラフリーディングのストラテジー 国公立大対策』

・『基礎英語長文問題精講』

・『国公立標準問題集CanPass 英語』

精読の極意の難易度は東大・早慶レベルで難しい!使い方と評価・評判・口コミレビュー

筆者は一浪で東京都立大学、明治大学などに合格した者です。

この記事では「入試英文 精読の極意 新装版」について、徹底的に解説します!

 

精読の極意とは 

・概要:英語長文の読解方法を解説した参考書

・著者、出版社:丹羽裕子(研究社)

・レベル:大学受験、難関国公立大学、最難関私立大学

・構成:20題の長文と設問、詳細な解説

・口コミ、レビュー:多くのサイトで平均星4以上の評価を獲得。優れた参考書として評判が高い。

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精読の極意の新装版の違い

手元に旧版を持っている方のレビューによると、1993年の発売当初と装丁が異なるだけで、内容に違いはないようで、価格についても変更されていないそうです。

 

精読の極意のレベル、難易度

この参考書は口コミ通り、東大や京大などの難関国公立二次試験、または早慶などの難関私立大学レベルといえます。

かなり上級者向けの参考書になるため、ある程度の実力がないと活用することができないでしょう。苦手な分野や理解が曖昧な箇所を残している場合には、そちらの学習を優先するべきです。

また、MARCHや旧帝大未満の国公立大学の受験生には、確実にオーバーワークとなるため、よほど余裕がある場合以外はやらなくて構いません。特に、志望校の回答がマークシート方式の場合には、本書をやる必要はないでしょう。

東大をはじめとする旧帝大クラスや早慶の受験生でも、生半可な実力では消化不良を起こす恐れがあります。文法や構造分析など英語の基礎固めがほぼ完璧で、過去問に突入するまでに時間がある場合に限って、ぜひやっておきたい一冊です。

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精読の極意の使い方、勉強法

「精読の極意」は、英語長文を現代文のように詳細に読み解くための参考書、と言えるかもしれません。

文章の構成や展開の仕方から、筆者の主張を論理的に読み解く方法を学習します。段落がどのように分けられているか、比喩表現が意味することは何か、なぜその単語が使われているのかなど、深みのある読解方法を解説しています。

また、文中に根拠を求めながら論理的に答えを導き出す読み方をマスターすることができます。推測や常識に頼ることなく、本文に忠実に記述問題の解答を作成できるようになれば、入試でも安定して高得点が期待できるため、他の受験生と差をつけることができるでしょう。

本書に取り組む際には、時間をかけても構わないので、長文をじっくり読み込み、必ず自分の手で解答を作成しましょう。解説を読む際には、該当する箇所を本文と照らし合わせながら、丁寧に読み込むことを心がけます。

また復習の際には、長文を頭から読み直します。解説で取り扱ったポイントや注意事項、読解のテクニックを意識しながら読み直すと、着実に実力を高めることができるでしょう。

読解技術・技法に重点を置いた参考書なので、本格的な過去問演習には不向きです。参考書の性質上、基礎固めをきっちり終わらせる必要があるため、過去問に挑戦する前の段階で余裕があれば取り組むのが良いでしょう。

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精読の極意が終わったら次は

「精読の極意」を終えることができれば、入試に出る英語の文章について、ほぼ全ての形式を網羅できているはずです。過去問に挑戦し、要約・和訳・長文など、さまざまなジャンルの問題に取り組みましょう。

もし過去問を解いて行き詰まりを感じたら、「精読の極意」に戻って読解の上でのポイントを再確認するのが良いでしょう。「精読の極意」は簡単な参考書ではないので、一度で身についたと思い込まず、繰り返し確認作業を怠らないように気をつけてください。

情報構造で読む英語長文は難しい参考書?早慶・東大レベル【大学受験】

今回は大学受験の英語の参考書である「情報構造で読む英語長文」についてレビューしていきます!

特に難関大学を志望していて「情報構造で読む英語長文」を使うかどうか迷っている方も多いかと思いますが、難易度や使い方などを徹底的に解説していきたいと思います!

 

・情報構造で読む英語長文とは

本書は、当時代々木ゼミナールの講師であった西きょうじ先生が書いた本になります。

西きょうじ先生といえば「ポレポレ英文読解プロセス」なども評判であり、大学受験のためのリーディングの指南書を数多く残したことで高く評価されています。

 

西きょうじ先生の読解プロセスの特徴は、パラグラフリーディングに特化していることです。

パラグラフリーディングとは、英語の長文を1文ごとではなく段落ごとに理解することで、より容易に・より短時間で文章全体の意味をと捉えることができます。

このパラグラフリーディングは、近年の大学受験の英語学習では非常にメジャーな読解法となっています。

「情報構造で読む英語長文」ではパラグラフリーディングを活用して、対立や反復、並列、因果関係などの論理を軸に、文意を予測しながらより高レベルな文章を読むことを身につけることができます。

 

また、問題の構成としては、記述式・選択式の問題がバランスよく設問されており、実践的な問題集となっています。

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・情報構造で読む英語長文のレベル、難易度

「情報構造で読む英語長文」に収載されている問題のレベルは非常に高く、共通テストレベルから東大、京大、早稲田、慶應、上智いった上位難関校の問題を多く取り扱っています。

しかし、本書を解き進めると、展開構造の把握といった英語長文の読み方は、平易な問題も難しい文も同じであるということが分かります。

 

東大・京大や早稲田・慶應などの難関大学を志望していて英語の得点に伸び悩んでいる人は、上記の点に気が付くだけで飛躍的に得点を伸ばすことができるでしょう。

MARCH・関関同立レベルを志望している人にとってはやや難易度が高いかもしれませんが、英語の難易度が高い学部や英語を武器にしたい人は本書に取り組んで自信をつけるのもよいでしょう。

 

また、複雑な構文に関しては、簡易的ではありますが解説がついているので、安心して取り組むことができます。

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・情報構造で読む英語長文の使い方、勉強法

「情報構造で読む英語長文」のレビューを見ると、「ポレポレ英文読解プロセス50」を行ってから取り組むのがよい」といった口コミが非常に多いようです。

実際に、難易度としても「情報構造で読む英語長文」はポレポレの上位互換のようなものですから、ステップアップとして取り組むのがおすすめです。

 

また、本書のウォーミングアップとして「速読英単語上級編」や「リンガメタリカ」などを読み込んでおくのがよいでしょう。

もちろん、これらの参考書は完璧に理解できている必要があります。

 

「情報構造で読む英語長文」の使い方としては、まずは一度英文を読み、全体を和訳したうえで設問に取り組みます。

英文を一読しても意味が取れないようであれば、英語長文の読み方がまだわかっていない可能性があります。

そこで、解説をよく読みながら筆者の英文読解法を完璧に理解できるように努めましょう。

パラグラフリーディングの参考書で大切なのは、筆者の考えていることを完全に理解することです。

この部分をうやむやにしてしまうと、いつまでたっても長文読解の基礎が身につかず、簡単な文章はなんとなく読めてしまっても、難しい文章が出てきたときに足踏みしてしまいます。

 

難しい英文も多いですので、最初はなかなか理解できないかもしれませんが、根気よく何度も繰り返して読むことで、パラグラフリーディングを身につけていきましょう。

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・情報構造で読む英語長文が終わったら次は

前述の通り、難易度が高い問題が集められていますから、「情報構造で読む英語長文」で難関大レベルの英語の演習はほとんど完成しているといっていいでしょう。

 

本書を終えたら、いよいよ志望校の赤本・過去問に挑戦していきましょう。

本書にしっかり取り組んだならば、長文読解の精度が上がっているため、赤本も自信を持って取り組むことができるでしょう。

 

私も「ポレポレ英文読解プロセス50」で基礎固めを行った後に「情報構造で読む英語長文」に取り組み、何度も演習を重ねることで、早稲田の過去問で6割→8割に得点を伸ばすことができました。

 

英語長文の読解法はたくさんありますが、本書に書かれている考え方は決して奇をてらった方法ではありません。

どんなに難しそうな英文でも、細かく要素を分解すると、基本的なことの繰り返しであることに気づくでしょう。

そして、この考え方が身についたのならどんな英文でも読める、という自信を持つことができます。

ぜひ「情報構造で読む英語長文」にチャレンジして、長文読解の応用力を身につけていきましょう。

ライジング現代文の難易度は難しい?東大・早稲田レベル?【大学受験】

この記事では、現代文の参考書「ライジング現代文―最高レベルの学力養成」について、現役予備校講師で私立進学校の国語科教科リーダーを務めた私が、その特徴、効率のよい使い方など、徹底的に解説をしていきます。

 

「ライジング現代文―最高レベルの学力養成」とは?

・概要:厳選された良問を短期間で集中的に学ぶことのできる参考書

・著者、出版社:内野博之(駿台予備学校現代文科講師)、桐原書店

・目安となるレベル、偏差値:東京大学をはじめとした最難関国公立大学、早稲田大学などの最難関私立大学(偏差値65~)

・問題数:9題

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「ライジング現代文」のレベル・難易度

「ライジング現代文―最高レベルの学力養成」には9題の文章が収録されていますが、その大半が東京大学の過去問となっています。

言わずと知れた東京大学の現代文は日本でも随一の良問ぞろいと言われていますが、その中でも特に優れた文章・問題を抜粋し、徐々に成長できるように配置、解説したものが「ライジング現代文―最高レベルの学力養成」になります。

その性質上、この教材のレベルは最難関国公立大学受験の記述対策ということになります。

実際、参考書のレビューでも「非常に勉強になった」というものから、「難しすぎて使いこなせなかった」という声まで評価は様々です。

いきなりこの教材から現代文を始めるのは難しいかもしれませんが、現代文がすでに得意、もしくは得意になりたいと思っている人は、ぜひともチャレンジしてもらいたい参考書です。

どの参考書に言えることですが、こういった評判や口コミを鵜呑みにして参考書を判断するのではなく、自分の目標や現在の立ち位置などから目的を持って参考書を選んでもらえたらと思います。

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「ライジング現代文」の使い方

「ライジング現代文―最高レベルの学力養成」はある程度現代文の勉強を終えてきた人を対象にした参考書ですので、解説は本格的ではあるもののシンプルですっきりとしています。

そのため、ある程度は自分で思考して使っていく必要があります。

 

①まずはとにかくチャレンジする

「わからない」からといってすぐに解答、解説を見ようとするのではなく、できる限り自力で解きましょう。

設定した時間内に終わらなくてもよいので、とにかくなにかしら自分の解答を作成します。

記述に関しては、とにかく自分で書けることがもっとも大事です。解説を読んでわかった気になっていても、書く練習をしていなければ本番の大学入試で手が動きません。

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②模範解答だけを見て、自分なりの解法を考える

自分の解答と模範解答を見比べて、足りない要素をチェックします。

この際、「どこに目を付けることができれば自分の解答にこの要素を加えることができたか」という観点で、自分の解き方の分析をします。

この作業がもっとも大変なのですが、もっとも現代文の力になります。

私ももともとは現代文が苦手だったのですが、こうした分析をすることを繰り返していくうちに、自分の中の現代文の型ができあがっていき、飛躍的に成績も向上していきました。

 

③考え抜いた解法と解説を照らし合わせる

ここにきて、ようやく「ライジング現代文―最高レベルの学力養成」の解説を見ます。

自分なりに考えた解法と参考書の解説を比較して、わからなかった部分を学び、より良い部分を取り入れます

忘れてはいけないのが、自分の解法に解説の方法を取り入れることです。

解説の解き方はシンプルで美しく、自分で考えた解法よりもずっといいものに見えると思います。

しかし、それはあくまで解説にすぎません。限られた試験時間の中で、文章の内容をあれほどクリアに整理し、まっすぐに解答にたどり着くことは我々国語のプロでもなかなかできません。

ましてや他の人の考え方です。解答を再現性のあるものにするためにも、自分の考え方を土台にする必要があるのです。

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④解法を次の問題で試す(→①へ)

作り上げた自分なりの解法を、次の問題で試します。それがうまくいくこともあれば、うまくいかないこともあります。

大事なのはそのたびに解き方を改良し、より良い現代文の型を自分の中に作り上げていくことです。

「ライジング現代文―最高レベルの学力養成」の良問、解説はそのトレーニングにうってつけの内容になっています。

 

「ライジング現代文」が終わったら次は

いよいよここまでくると、現代文の勉強も大詰めです。

東京大学を目指している人ならば赤本に取り組んでもいいですし、教学社「東大の現代文27か年」に手を付けてもいいと思います。

引き続き記述対策をしたい場合は、河合出版「得点奪取 現代文《記述・論述対策》」桐原書店「上級現代文」「上級現代文などもやりごたえがあります。

早稲田大学などの最難関私立大学を目指している人は、学んだ記述の勉強法を選択型の問題に落とし込むという意味でも、教学社「早稲田の国語」などで演習することがおすすめです。

現代文解釈の基礎の難易度は共通テストレベルで難しい?使い方や評価をレビュー

筆者は一浪で東京都立大学、明治大学などに合格した者です。

この記事では「現代文解釈の基礎」について、徹底的に解説します!

 

現代文解釈の基礎とは

・概要:文章の読み方を基礎から解説した、現代文の入門的参考書

・著者、出版社:遠藤嘉基、渡辺実(ちくま学芸文庫)

・レベル:大学受験基礎、入門程度

・構成:前半部で小説、後半部で評論文を取り扱っている

 

インターネット上のレビューや口コミをみると、高校生に限らず、社会人や大人からも高い評価を受けているようです。

60年前に出版されたにも関わらず、今でも多くの読者に読み継がれており、名著と評判の高い参考書です。

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現代文解釈の基礎のレベル、難易度

「現代文解釈の基礎」で扱われている文章は、一般的な国語の教科書で採用されているレベルであり、受験現代文の標準的な文章と言えます。

文章がどのように成り立っているか、読解において着目するべきポイントを、わかりやすく解説しています。

各文章には設問が付いていますが、解説されたポイントを適切に運用して文章を読めているか、という確認の意味合いが強く、実践的な問題とは言い難い部分があります。

取り扱っている文章は教科書レベルと述べましたが、決してレベルが低いことを意味していません。名だたる名文家や文学者の良質な文章であり、このレベルの文章を正しく読むことができれば、受験現代文で対応できない文章はないと言えるでしょう。

 

現代文の学習で重要なことは、意地悪で難解な言い回しを多用する文章を読むことよりも、しっかりとした論理構成をもつ評論文や、描写が巧みな小説を丁寧に読み込むことです。

 

正しく読むことは、正しく書くことに繋がります。いい加減な文章や凝った言い回しを身につけてしまうと、記述問題の際に要らぬ減点を受けてしまう恐れがあります。要点を見抜き、平易で簡潔な表現をすることこそ、記述問題で安定して得点をとる秘訣なのです。

そのため本書は、文章の正しい読み方を習得したい高校一年生から二年生、受験学年の初期段階で用いるのが良いでしょう。

現代文の勉強方法がわからない、と困っている受験生が少なくありません。また、現代文は生まれつきのセンスや感覚が重要だから難しい、と言われることもあります。

しかし、筆者に言わせれば、現代文の肝は「正しく読むこと」にあります。正しい文章の読み方を身につけることで、現代文に対する苦手意識を払拭することができます。

 

ただし、上述したように付属の設問は実際の試験問題とはかなり異なっているので、受験本番まで残された時間がない場合には、他の問題集や過去問を用いることをお勧めします。

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現代文解釈の基礎の使い方

まずは事前に解説を読み込み、読解する上で注意すべきポイントを掴みましょう。

どのように読むべきか見当をつけたら、ポイントを意識しながら実際に文章を読みます。

設問では読解のポイントと関連した内容を問われているので、自分なりの解答を作成するか、書くべき要素を抜き出して箇条書きにするだけでも良いでしょう。

 

入試問題における記述問題とは異なる部分が多いので、無理にすべての設問を解く必要はありません。

解答作成より重要なことは、文章の読み方をマスターすることです。定評ある作家による良質な文章が厳選されているので、問題を解くことよりも、丁寧に読み込むことを意識しましょう。

現代文解釈の基礎が終わったら次は

文章を読む上で注意すべきポイントやコツを学習し、正しい文章の読み方を習得することができたら、問題集を解いて回答を作成する練習をするのが良いでしょう。

まずは定番なものが無難だと思いますが、旺文社「大学入試 全レベル別問題集 現代文」から始めてみると良いかもしれません。

もし問題集選びにこだわりがあるのならば、解説が丁寧なものを選ぶことを重視してください。つまり現代文の場合には、解答の根拠を明確に示していることです。

原文に書かれていないことや、勝手に自分の知識で補って解答を作成している参考書には、注意が必要です。入試で問われるのは、与えられた文章に書かれている内容を、的確に把握して解答に反映させる能力だからです。

 

また、難関私立大学の現代文には癖があることも少なくないので、「現代文解釈の基礎」の後では、私立大学に特化した問題集はおすすめできません。

この参考書を使うということは、入試まである程度の時間があると思われるので、問題集を選ぶ際には、標準的な問題を取り扱っているものを選ぶようにしましょう。

共通テストなしで受けれる大学とは?受けない場合も私立大学なら関係ない?

今回は「共通テストなしで受けられる大学」というテーマでお話していきたいと思います!

共通テストといえば、ほとんどの受験生が受けるものであるというイメージを持っている方が多いと思いますが、必ずしもそうではありません。

共通テストの受験が必要な大学、いらない大学をそれぞれ挙げながら、共通テストを受けたほうがいいのか?ということについてもお話していきます。

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共通テストなしで入れる大学

大学を受験するにあたって、共通テストの受験は必須ではありません

共通テストが必須なのは国公立大学のみであり、私立大学であれば共通テストは受けなくても受験することができます。

 

共通テストを利用できる私立大学

私立大学であれば共通テストの受験は必要ないことはすでにお話しましたが、私立大学でも共通テストを利用して受験できる大学もあります

早稲田MARCH、関関同立などの有名私立大学でも共通テストを利用した入試が実施されています。

 

また、共通テストを利用できる私立大の中でも、共通テストのみで出願できる大学と共通テストと他の試験を併用できる大学があります。

例えば上智大学は、共通テスト以外に英語の試験を利用する「TEAPスコア利用型」の入試も実施しています。共通テスト併用型試験でも、英語の外部試験の結果を利用することで、CEFRレベルに合わせた加点が受けることができます。

 

ちなみに、慶應義塾大学は共通テストを利用した入試の実施はしていません。

 

河合塾による、2023年の主な私立大学の共通テスト利用型入試のボーダー点数は以下の通りとなっています。

 

早稲田政経政治90%

明治政経政治 88%

青学総合文化政策 88%

立教経営 87%

立教国際経営87%

立教異文化 86%

明治政経経済 85%

青学国際経済 85%

青学経営 85%

学習院政治 85%

中央法法律 84%

青学国際政治 84%

立教社会 84%

 

このように、共通テストを利用して主要な私立大学に入るには85%以上の得点が必要となります。

これらの私立大学は、難関国立大学を受験する受験生の滑り止めとしても出願されるため、ボーダーが高くなっています。

3教科とはいえ85%以上を得点するためにはかなりの実力が必要となります。

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共通テストのみで入れる国公立大学

前述の通り、ほとんど国公立大学では共通テストの受験が必須となっています。

多くの国公立大学では共通テストに加えて大学独自の二次試験が課されます。

しかし、中には二次試験がなく、共通テストのみで入れる大学もありますので、いくつかご紹介します。

 

都留文科大学 全学部ボーダー得点率69~77%

長野大学 全学部ボーダー得点率62~67%

埼玉県立大学 保健医療学部ボーダー得点率58~62%

島根県立大学 地域政策学部ボーダー得点率58~60%

釧路公立大学 経済学部ボーダー得点率58~59%

北見工業大学 工学部 ボーダー得点率51~53%

 

このように、共通テストのみで入れる国公立大学は、ほとんどが地方の公立大学であることが分かります。

釧路公立大学や都留文科大学は3科目のみで入れるため、私立大学と同じような形式です。

しかし、MARCHや関関同立と比べると、ボーダー点数が圧倒的に低い=入りやすいことが分かります。

「どうしても国公立大学に入りたい」といった受験生にとっては狙い目であるといえますが、MARCHなどと比べると立地面はもちろんブランドの差から就職先の質が圧倒的に劣ります。

地方公立大学はOBも少なく、知名度も低いため就職活動で苦労してしまうことも多いようです。

学びたい学問があるならばもちろん行きたい大学に入るべきですが、「国公立大学だから」と安易に考えてしまわないように気を付けたいところです。

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共通テストは受けるべきか?

最後に、受験生は共通テストを受けるべきかどうかということについてお話したいと思います。

ずばり、共通テストはなるべく受けたほうがいいです。

その理由は、以下の通りです。

 

まず、共通テストの勉強をすることで大学受験の勉強の基礎固めをすることができます。

共通テストはほとんどが標準的な難易度となっており、教科書の内容がきちんと理解できていれば解くことができるようになっています。

特に英語は、そのまま海外に輸出しても恥ずかしくないくらいの質の高い英文ばかりが出題されるため、共通テストの対策をしっかり行うことで自然と実力はついてきます。

そのため、共通テストの問題でしっかりと得点できるかどうかで良い大学に入れるかどうかが決まると言っても過言ではありません。

共通テストの過去問や対策模試などで、常に自分の実力を確かめておくことをおすすめします。

 

また、出願できるチャンスが増えることも大きなメリットです。

私立大学では、共通テスト利用と一般入試を併用できる大学がほとんどです。

どうしても行きたい大学や学部がある場合は、複数の入試制度を利用することで合格の可能性を高めることができます。

また、志望校とは別にランクを落とした大学を共通テストを利用して受験することで、滑り止めとすることも可能です。

 

最後に、受験本番の練習になることです。

国立大学の二次試験や私立大学の一般入試の多くが2月に行われるのに対し、共通テストは1月の半ばに行われます。

共通テストを受けることで、受験独特の緊張感を事前に知ることができます。

そして、共通テストが終わったら自己採点で一喜一憂せず、しっかりと振り返りを行うことで受験本番に備えましょう。