テュルゴーとネッケルの違いと覚え方のコツ【高校世界史】


フランス革命時に活躍した二人の改革人

テュルゴー、ネッケルはフランス革命前夜の財政改革の中で登場する大変重要な人物です。

そのため、入試でも度々出題されている箇所ですので、それぞれの人物がどのような財政改革を目指したのか整理してキーワードを覚えることが重要です。

 

フランス革命前のフランス社会

フランス革命前の社会は、「旧制度(アンシャン=レジーム)」といいます。

第一(聖職者)、第二(貴族)、第三(平民)の3つの身分からなる身分制社会、すなわち生まれに基づいて地位が決まる社会構造を持っていました。

このうち第一(聖職者)、第二(貴族)は、領主として土地に対する所有権を持ち、あるいは免税権をはじめとする各種の特権(封建的特権)を持っていました。

全人口の2%にすぎない第一・第二身分が圧倒的に有利な位置を占めていたのです。

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テュルゴーとネッケルの違いとは

18世紀後半のフランスにおける最大の問題は、国家財政の赤字でした。

負債返済額は国庫歳出の半分にも達していたといわれています。

17~18世紀にいたるフランスは、世界の覇権をイギリスと争う、「第二次百年戦争」を戦っていたからです。

そして、18世紀後半になると、イギリス産業革命の開始によって両国の経済力の格差が広がったことを背景にして、フランスの劣勢は明らかなものとなり、軍事支出は国庫に重くのしかかっていました。

そこで1774年に即位した国王16世は下記の財務総監を登用し財政改革を試みさせました。

 

1人目は テュルゴー です。

彼の政策は、宮廷費の削減や徴税の中央集権化による国庫状況の直接的改善から、社会経済システムそのものの改革にいたる、全面的で包括的なものでした。

すなわち経済自由主義思想(彼は重農主義者であった)に基づいて穀物・小麦取引の自由化、ギルドの廃止、手形割引銀行の設置などの改革が断行され、技術革新に挑む誘因を供給することによって国力の増強を図ることを目指したのでした。

が、彼の主張はあまりにも急進的であったため、各方面からの反発を招き、2年あまりで失脚してしまいます。

 

2人目は ネッケル です。彼はテュルゴーの後を引き継ぎ当時のフランス財政悪化に対して政策を行いました。

彼は、スイス生まれの銀行家であり特権身分の免税特権を廃止しようと考えました。

当時、フランスには大きく3つの身分がありました。

第一・第二・第三身分です。このうち第一・第二身分は 特権階級 とされ、税金が免除されるなどの特権が認められていました。

ネッケルはこの特権を廃止し、特権階級からも税金を徴収することで財政を再建しようとしたのです。

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テュルゴーとネッケルの覚え方のコツ

フランス革命時に登場した財務総監(今でいう財務大臣のような人のこと)のうち、

「重農主義者、穀物取引の自由化、ギルドの廃止」というキーワードが出たら、

→テュルゴー

「銀行家、特権身分の免税特権を廃止」というキーワードがでたら、

→ネッケル

 

テュルゴーとネッケルまとめ

上記のように、キーワードを覚えていれば混乱することなく問題に回答できます。

世界史には様々な人物が登場しますが、必ずキーワードをおさえることが重要です。特に上記の人物は混合しやすい部分ですので、キーワードをかならず覚えましょう。

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